クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
そう言うと、綿谷くんは意外にも素直に2階の自室に向かう。
「よしっ!」
それを確認した私は、台所を借りてお粥を作ることにした。
風邪の時って食欲無くなっちゃうから、少しでも食べれたらいいんだけど…
煮えたお粥を、綿谷くんの部屋に持っていく。
「…し、失礼します」
初めて入る綿谷くんの部屋はシンプルだけど、やっぱり綺麗に整理整頓されていた。
さっきまで寝ていたのか、物音で起こしちゃったみたい…
綿谷くんの目がゆっくりと開く。
「ご、ごめんなさい。起こしちゃいましたか…?」
「……別に」