クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
いつも涼しげな顔をしている綿谷くんだけど、今は熱のせいか目がとろんとしていて…具合が悪そうな綿谷くんには申し訳ないけど、なんだか可愛いって思っちゃう。
食欲は十分残っていたらしく、あっという間にお粥を食べてしまった。
これで薬飲めば、今日のうちに熱は下がりそう。
「私片付けしてくるので、ちゃんと寝てくださいね。あ、あと早瀬くんからプリント類預かってるので、後でここに置いておきます」
ゆっくりと瞬きをする綿谷くんから視線を外して、私は下の階へと向かった。
「これでよし…」
ひと通りの片付けを済ませて、早瀬くんから預かったプリントを置きに再び綿谷くんの部屋へと向かった。
寝ているであろう綿谷くんを起こさない様に部屋に入ると、カバンから取り出したプリントを机に置いた。
…あとは、大丈夫かな。
綿谷をちらっと見ると、目を閉じて規則正しい寝息を立てている。