クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


さっきより落ち着いた様子に私は少し安心して、部屋から出て行こうとした。


と背後で布団の擦れる音がしたと思ったら…


「わっ!」


振り返った瞬間、ぐいっと手首を引かれ、気づいたら綿谷くんのベッドにそのまま一緒に倒れ込んでしまった。


慌てて体を起こそうとするけど、綿谷くんに力強く抱きしめられているせいで、起き上がることができない。


綿谷くんを見ればバッチリ開いた目が、私を捕らえていた。


「わ、綿谷くん寝てたんじゃ…」


「…まだ帰るな。もう少しここにいろ」


綿谷くんと向き合う様に、ぎゅっと抱きしめられられる。


あまりの距離の近さに、心臓のドキドキが伝わっちゃいそうで怖い。




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