クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「もう、ちゃんと寝ないと風邪治りません」
なかなか寝ようとしない綿谷くんに私は文句を言う。
「……じゃあ、なんか話して」
「…え?」
熱で潤んだ綿谷くんの瞳と目が合う。
「そしたら寝る」
思いがけない言葉に、私は一瞬戸惑った。
「は、話ですか……」
うーん…と唸るように考え込む私を、綿谷くんは優しげな眼差しで見つめていた。
少し考えてから、ふとあることを思い出す。