クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
ぽつりと、声がこぼれた。
「……あ?」
中里さんの足が止まる。
自分でも、無意識なうちにこぼれ落ちた言葉だった。
……怖い。
心臓はうるさいくらいに鳴っているし、指先も震えている。
それでも、今度は俯かなかった。
「……綿谷くんに近づくなって言われるの、いやです」
きっと私が初めて返した反論に、驚いているのだろう。
一瞬怯んだような中里さんは、すぐにはっとこちらを睨んだ。