クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


「…全く」


呆れたようにため息をつく日向ちゃん。


……なんだろう?と蓮くんを見ると、不機嫌オーラを醸し出しながら、無言で早瀬くんを見つめている。


早瀬くんは慌てて立ち上がると、今度は日向ちゃんの隣に腰を下ろした。


「や、やっぱ俺はここだよな!…お、おっかねえ。あんな顔しなくたっていいだろ…」


何やらぶつぶつと呟きながら、慌ててパンに齧り付く早瀬くん。


状況が読み込めない私の横で、さっきよりもさらに深いため息をつく日向ちゃんに、私の脳内のクエスチョンマークは増える一方。


✳︎

「腹一杯!次の時間は昼寝決定だな」


満足げに言いながら空教室を出る早瀬くんに、私は苦笑を返す。


「おい、お前ら早くしないと予鈴鳴るぞ」


早瀬くんが、日向ちゃんと蓮くんに声をかける。


「あ、私ちょっと忘れ物しちゃった。華子たち先戻ってて」


「え、忘れ物?間に合うのかよ」


「平気。すぐ追いつくから」


ひらひらと手を振る日向ちゃんに見送られ、私たちは先に教室へと向かった。



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