クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
(蓮 side)
「ちょっといい?」
琢磨たちの後を歩いていた俺は、行く手を塞がれて足を止めた。
目の前には、両腕を組んで仁王立ちする丹羽。
凛とした眼差しで、俺を見据える。
「…何」
最近は華子や琢磨、そして丹羽の4人で昼飯を食うことが増えたが、丹羽と一対一で話すのはこれが初めてだ。
「…ったく、せっかくあんたにいいもの渡そうと思ったのに。そんなでかでかとため息つかないでもらえる?…ほんっと、華子にしか興味ないのね」
何やらポケットから取り出した紙を数回ひらひらさせて、「ん」とそれを目の前に突き出す。
俺は無言でその紙を受け取った。
……夏祭り?
丹羽から渡されたのは、夏祭りのチケット2枚。