クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
そして、その会いたくてたまらなかったやつも。
世界は広いように見えて、実はずっと狭いのかもしれない。
そう、思わされた。
「そういや坂本ちゃんって、中学の時、男子からの人気結構あったんだよな」
「…は?」
琢磨の言葉に、俺は呆気にとられる。
それと同時に湧いてくる焦燥感と、苛立ち。
「坂本ちゃんておとなしいけど、なんつうか…ほら清楚系とかって言うだろ?目立つタイプじゃないけど、結構可愛いし」
「……」
「あれ、蓮聞いてるかー?」
顔を覗き込む琢磨に構うことなく、俺はぎゅっと拳を握りしめる。