クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
俺が知っているあいつは、ずいぶんと大人っぽくなっていた。
ボブヘアだった髪は、今は背中の半分ほどの長さまで伸びていて…
あの時以上に、可愛さが増していた。
男からの視線を集めるには十分なほど、坂本は存在感を放っていた。
あいつ、自分が男から狙われてること、気づいてんのか…?
…俺以外の男に、触れさせたくない。
…俺だけの存在にしたい。
そんな強くて黒い感情が、体の中からふつふつと湧き上がる。
あいにくと、俺はものすごく独占欲が強い。
そして、諦めも悪い。
なんたって、もう会うことのできないかもしれないやつのことを、5年も思い続けていたのだから。