クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
Second ♡
変わる日常
『……華子』
綿谷くんが、熱っぽい声で私を呼ぶ。
頬に添えられた手が、くすぐったくて、私は思わず目をつむる。
息をのむ私に、綿谷くんの顔が近づいてきてーーーー
「わぁぁぁぁぁぁっ!」
パッと目を開けた私は、飛び起きるように体を起こした。
とんでもない夢に、心臓がドキドキと鳴って、私は夢の世界から覚めてもなお、ぼんやりとしていた。
な、なんて夢を見ていたのだろう……
昨日の綿谷くんとの別れ際の出来事を思い出して、私は「ひゃぁぁぁ!」なんて、変な声を出して布団を頭から被る。
昨日のあれは、間違いなく、キ、キキ…キス、だよね……?
キスなんて初めてで…綿谷くんが何を考えてあんなことをしたのか、わからない。