クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
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「うわあ、華子のお弁当、相変わらず超美味しそう!」
昼休み、中庭のベンチでお弁当を広げていた私たち。
日向ちゃんは私のお弁当をのぞき込み、目を輝かせた。
「今日も自分で作ったの?」
「う、うん…あ、あんまり見られると恥ずかしいんだけど…」
「別に恥ずかしがることないでしょ?こんなに上手なんだから。料理できるって絶対強みだよ」
「そう、なのかな…?」
「そうに決まってるじゃん!あたしなんて、炊飯器のスイッチ押すくらいしかできないし」
そう言いながら、おにぎりをぱくりと頬張る日向ちゃん。
頬をふくらませた日向ちゃんは、リスみたいに愛嬌たっぷりだ。
「いいなあ。将来華子の旦那になる奴、毎日のように華子の手料理食べれるってことでしょ?超羨ましいんだけど。あたし、華子に嫁ごうかしら」
日向ちゃんは、「あ、でもさ」と何かを思い出したように、苦笑いを浮かべた。