クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「華子が彼氏とか、結婚とかってなったら、華子のお父さん超落ち込みそうだよね。ていうか、華子に彼氏でもできたら、倒れちゃうんじゃない?」
「そ、そうかも…」
日向ちゃんは中学のころからうちに遊びに来てるから、お父さんやお母さんとも面識がある。
そして、お父さんが、私に対して超過保護であることも認知済み。
『華子ももう高校生だし、彼氏くらいできるかもねえ』
この前、夕飯中にお母さんが軽く冗談めかして言ったとき――
お父さんは箸を落としそうな勢いで立ち上がった。
『か、かか、彼氏だとっ!?華子、彼氏なんか今すぐ作る必要なんかないんだぞ!高校は勉強するために行くんだから、彼氏なんかいらん!』
顔を真っ赤にして力説するお父さんに、お母さんも思わず呆れて大きなため息をついていた。
その後はビールを飲みながら、『華子、小さいころはあんなにパパと結婚するって言ってたじゃないか〜』なんて半泣き状態でソファに撃沈してたっけ…