クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!



放課後。


昨日時間がなくて返せなかった本を返しに、私は図書館に来ていた。


図書館はしん、と静まりかえっていてひと気はない。


「…図書委員会の人、今日もいない…」


入り口からひょっこりと中を覗いた私は、きょろきょろと首を動かした。


放課後の当番活動が面倒くさいのか、毎週この曜日の委員はサボり傾向が強い。


仕方なく、私は返却台の上に本をそっと置いた。


テスト期間じゃなければ放課後の図書館利用者はほとんどいないし、委員の人もいないとなると、実質貸切状態。


今日も勉強している人の姿もなく、利用者は私ひとりだけだった。


荷物を置いた私は、迷うことなく、ある本棚にむかう。



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