クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「キ、キスは、好きな人にするものだからです!」
多分、私の顔は真っ赤になっている。
綿谷くんはクスッと小さく笑った。
「それなら、なんの問題もないけど」
問題ありありなのに、何が問題ないのかわからず、私は首を傾げた。
「と、とにかく!お礼は、別の方法で!」
そう言うと、なんだか綿谷くんは不貞腐れたように、むすっとしていた。
「じゃあ、別のことならいいんだな」
「は、はい」
と、綿谷くんが「じゃあこれ」と、なぜかハンバーグの写真を指差した。
「……ハ、ハンバーグを奢ればいいってこと、ですか?」
「ちげーよ。お前の作ったハンバーグ食いたい」