クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「ええっ!?」
想像もしていなかった提案に、思わず大きな声を出してしまった私に、綿谷くんは「図書館は静かに、だろ?」と言った。
「わ、私まだ料理初心者で…その、別のことならいいなー…なんて」
「却下。なら、またキスにするけど」
意地悪な笑顔を浮かべる綿谷くんに、ぐぬぬぬ…と私は唇を噛みしめた。
綿谷くんは面白そうに、私を見つめる。
こうなれば仕方がない。
「…わ、わかりました!ハンバーグ、作ります…」
とほほ…と肩を落とす私の隣で、「じゃあ決まり」と、綿谷くんが言った。
…あれ、でも料理作るって、どこで?
ふとそんな疑問が浮かぶ。