クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


「ええっ!?」


想像もしていなかった提案に、思わず大きな声を出してしまった私に、綿谷くんは「図書館は静かに、だろ?」と言った。


「わ、私まだ料理初心者で…その、別のことならいいなー…なんて」


「却下。なら、またキスにするけど」


意地悪な笑顔を浮かべる綿谷くんに、ぐぬぬぬ…と私は唇を噛みしめた。


綿谷くんは面白そうに、私を見つめる。


こうなれば仕方がない。


「…わ、わかりました!ハンバーグ、作ります…」

とほほ…と肩を落とす私の隣で、「じゃあ決まり」と、綿谷くんが言った。


…あれ、でも料理作るって、どこで?


ふとそんな疑問が浮かぶ。





< 70 / 174 >

この作品をシェア

pagetop