クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


綿谷くんはポケットからスマホを取り出して、画面を見せた。


「これ、俺の連絡先。今登録して」


「あ、はい!」


私の画面に登録完了の文字が出ると、綿谷くんが満足そうな顔をした気がした。


「これで、いつでも華子に連絡できる」


不意に下の名前を呼ばれて、ドキッと胸が鳴った。


「……あ、あの。綿谷くんは、どうして私の名前を知っているんですか?」


「なんでだと思う?」


クールに笑う綿谷くん。


また、うまくはぐらかされた。


「じゃあ今週の土曜日、俺の家来てもらうから」


なるほど。土曜日に、綿谷くんの今に行けばいいと…。


そう、綿谷くんの家に。


…綿谷くんの、家!?



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