クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
綿谷くんの提案に、「や、やっぱり料理は無しでお願いします!」なんて、私は言ったけど…
「今さら無しとか、無しだから」
なんて返された。
――それからの3日間はハンバーグの練習の日々だった。
作ったことのないものをぶっつけ本番で差し出すなんて、絶対にできない。
だから学校から帰るとすぐにエプロンをつけて、ハンバーグ作りの特訓開始。
その結果、夕飯は3日連続でハンバーグ。
お母さんは「華子が夕飯作ってくれから楽だわ〜」なんてご機嫌だったけど、
3日目の食卓で、お父さんはお皿を見つめて一言。
「……今日も、ハンバーグなのか……?」
その声音が、なんだか切なく響いていた。