クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
ふたりきりの時間
土曜日。
待ち合わせ場所は方向音痴の私でもよく知っている場所、という綿谷くんの配慮で私の家の近くの公園に集合になった。
聞けば綿谷くんが住む地区は私の家からは結構遠くて、迷惑だから私が綿谷くんの家の近くまで行く、って言ったけど、全て却下。
綿谷くんと出会ってから、とにかく綿谷くんにはお世話になってばっかり。
もっとしっかりしなきゃ……
自分の不甲斐なさにため息をついていると、「坂本」と綿谷くんの声がした。
「お、おはようございます!」
「…おう。おはよう、って時間じゃねぇけど」
くっ、と笑った綿谷くんに私は「えへへ…それもそうですね」と笑って返す。
それにしても、普段着の綿谷くんって…
制服姿の時とは違って、大人っぽさが増しに増してる。