クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「さっきから気になってたんだけど、それ何入ってんの」
綿谷くんは、私がもっていた手提げカバンをまじまじと見つめる。
「あ、これはハンバーグの材料です」
「…ふーん。それ、俺が持つから」
貸せ、と手を伸ばしてくる綿谷くん。
「い、いえいえ!ここまできてもらった上に、荷物まで持ってもらうなんて申し訳ないので」
そう言っても、やっぱり綿谷くんは聞いてくれなかった。
「いいから。余計なこと考えないで、俺に料理作ることだけ考えてろ。行くぞ」
「は、はい!」
すたすた歩き出す綿谷くんの背中を小走りに追いかけて、綿谷くんの家に向かった。