クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「あ、あの、お家の人に挨拶しなきゃ」
私が言うと、綿谷くんは何のことを言ってるんだ、みたいな表情をしたけど、すぐに「ああ…」と声をもらした。
「俺とお前以外、誰もいないから」
「…へ…?」
「別に挨拶もなにも、する必要ねぇよ。普段から、俺しか住んでないようなもんだし」
「えっ!?こんなに大きなお家に、綿谷くんひとりなんですか!?」
「まあ。それより、早く華子の料理食いたいんだけど」
「あ、はい…」
案内されたリビングは綺麗に整理されていて、綿谷くんひとりで住んでるなんて思えないくらいの空間だった。
キッチンも綺麗に掃除されていて。
キッチンもピカピカに掃除されていて、綿谷くんの几帳面さが伝わってくる。