幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
バージンロードを歩み、ついに祭壇の前に辿り着いた。

目の前にはユリウスが立ち、真剣な眼差しで私を見つめている。

父は足を止めると、私の手をそっと握り直した。

その手はこれまで支えてくれた、温かく大きな父の手。

けれど次の瞬間、ゆっくりと私の手をユリウスへと差し出した。

「ユリウス殿下。」

父の声は少し震えていた。

「どうか……私の娘を、宜しくお願いします。」

その言葉に、胸がじんと熱くなる。

ユリウスは片膝をつきそうな勢いで、深く頭を下げた。

「心得ました。命に代えても、セシリアを守り、幸せにいたします。」

父の手からユリウスの手へ。

温もりが移り、私は思わず涙をこぼした。

父は小さく微笑んで背を向け、席へと戻っていった。

その背中を見送りながら、私は強く思った。

──これからは、ユリウスと共に歩んでいくのだ、と。
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