幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
扉の外から、華やかな音楽が流れてきた。

「セシリア。」

父が手を差し出す。厳格な顔の奥に、わずかな誇らしさと寂しさが滲んでいた。

「お父様……」

そっと腕を取ると、温かな力が返ってきた。

重厚な扉がゆっくりと開き、大広間の光景が目に飛び込む。

祭壇へと続く真紅のバージンロードの両脇には、びっしりと人々が並び、皆の視線が一斉にこちらへ注がれた。

「セシリア・フォン・アルヴェール嬢、ご入場。」

宣言の声と共に、父にエスコートされて歩き出す。

一歩進むたびに、純白のドレスの裾が揺れる。

胸が高鳴り、緊張で呼吸さえ浅くなる。

けれど隣を歩く父が小さく囁いた。

「堂々と歩け。おまえは我が誇りだ。」

涙がこみ上げ、視界が揺れた。

そして祭壇の前には、ユリウスが立っていた。

金糸を纏った軍服姿で、凛とした眼差しを私に向けている。

その瞳に導かれるように、私は一歩一歩、未来へと歩みを進めた。
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