幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「では、新婦。誓いの言葉を。」

司祭の声が響き、視線が一斉に私に注がれた。

胸が高鳴り、喉が渇く。けれど勇気を振り絞り、練習した通りに言葉を口にした。

「私、セシリア・フォン・アルヴェールは──第2皇子、ユリウス・フォン・セルヴァンテスを夫とし、これを敬い、支え……」

そこまで言ったところで、声が震えて詰まってしまった。

目の前の彼を見た瞬間、想いが溢れすぎて言葉にならなかったのだ。

「……セシリア。ゆっくりでいい。」

ユリウスがそっと私の頬に手を添え、安心させるように微笑む。

涙が一筋こぼれ落ちた。

「……一生……愛しぬくことを……誓います。」

震える声で言葉を紡ぐと、ユリウスが指で私の涙を拭ってくれた。

「ありがとう。」

小さく囁かれるその声は、誰よりも優しい祝福だった。

──大広間は静寂に包まれ、私の誓いは確かに響き渡った。
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