幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
披露宴の喧騒が次第に遠ざかり、王宮の回廊は静けさに包まれていた。

ユリウスと私だけが並んで歩く。灯火に照らされた大理石の床に、二人の影が寄り添うように映っている。

「セシリア。」

歩きながら、彼が私の手を強く握った。

「……やっと二人きりになれたな。」

昼からずっと人々に囲まれていたせいで、その言葉に胸がじんと熱くなる。

「本当に……長い一日でした。」

「けれど今日を忘れることはない。君と夫婦になったこの日を、ずっと心に刻む。」

立ち止まったユリウスは、そっと私の肩を抱き寄せた。

窓の外には夜空が広がり、満天の星がきらめいている。

「見てごらん。星も俺たちを祝福している。」

「……ええ」

静かな夜に、彼の囁きと心音だけが響く。

これから迎える新婚初夜──その予感に胸は高鳴り、不安よりも甘い期待で満たされていった。
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