幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
ユリウスは一輪の薔薇を摘み取ると、そっと私の髪に添えてくれた。

「やっぱり……セシリアには薔薇が似合うね。」

思わず笑みがこぼれる。

その瞬間、彼の唇が重なり、柔らかな熱が伝わってきた。

「セシリア。」

口づけの後、私の名を呼ぶ声は深く甘い。

次の瞬間、力強い腕に抱き寄せられる。

「俺は、もう君しか欲しくない。」

その真剣な言葉に、胸が震える。

「……はい。」

涙がこぼれそうになりながら、私は小さく答えた。

「君を一人の女性として、心から愛しているんだ。」

皇子としての誇りも、地位も、この人にとっては関係ない。

ただ私という存在を、かけがえのない女性として受け止めてくれている。

ユリウスの腕の中で、胸いっぱいの幸福に包まれていた。

花々が揺れる薔薇園で、私たちの未来は確かに誓われたのだ。
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