幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「今夜、君を抱きたい。」

突然の言葉に、胸が強く跳ねた。

「殿下、それは……」

戸惑う私を、ユリウスは真剣な眼差しで見つめる。

「結婚を決めたこの日に、君を俺のものにしたい。」

その言葉に、頬が一気に熱くなる。

「あの……」声が震えて続かない。

彼は私を強く抱き寄せ、耳元に低い囁きを落とした。

「何も考えなくていい。ただ俺に身を委ねてくれればいいんだ。」

吐息がかかるほど近くで告げられるその響きに、心が大きく揺さぶられる。

皇子としての威厳を纏いながら、今はただ一人の男性として私を求めている。

「まだ早いのだろうか……」

迷いを見せつつも、彼の腕は決して離れない。

「ユリウス……」

名を呼んだ瞬間、胸の奥から熱い想いが溢れ出した。

彼の腕の中で感じる鼓動は、私を安心させる力強さに満ちていた。

──この人となら、すべてを委ねてもいい。

そう思わせるほどに、彼の抱擁は温かく、そして情熱的だった。
< 54 / 150 >

この作品をシェア

pagetop