幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
けれど、体は小さく震えていた。

「セシリア、俺を見て。」

低い声に導かれ、目を開けると、深い琥珀の瞳が私を吸い込むように見つめていた。

「怖いことはしない。」

真剣なその言葉に、私はゆっくりとうなずいた。

彼の指先が胸元に触れた瞬間、熱が一気に広がる。

「ああ……」

思わず声が漏れると、ユリウスは優しく囁いた。

「柔らかい……セシリア、とても愛おしい。」

やがて唇が、首筋から鎖骨へ、そして胸元へと降りてゆく。

舌先がかすかに肌を這い、全身に甘い痺れが走った。

「あぁん……」

堪えきれない声が零れる。

「かわいい……もっと感じて。」

耳元で囁かれると、心も体も彼に染められていくのを感じる。

触れ合うたび、重なる熱に包まれ、私は確かに「一人の女」として彼に愛されているのだと悟った。
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