幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
ユリウスの背に庇われながらも、私は自分の胸の内に問いかけていた。

──このまま黙っていていいのだろうか。

「セシリアのせいではない!」

ユリウスの力強い声が広間に響くたび、胸が熱くなる。

でも同時に、私は冷静に考えなければならなかった。

もし私の判断ひとつで、この国が戦火の渦に巻き込まれるとしたら。

その時、私は本当にユリウスと共に歩む資格があるのだろうか。

(私は……ただ愛されていればいいの? それとも、未来の皇子妃として責任を果たすべきなの?)

大広間に響くざわめきの中で、私の心は揺れ続けていた。

ユリウスに庇われるだけではいけない。

彼の隣に立つというのなら、私自身の答えを示さなければ。

深く息を吸い、私は一歩前へ進み出た。

父王の鋭い視線も、貴族たちのざわめきも、もう恐れることはできない。

──この場で、私自身の意志を示さなければ。
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