幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「セシリア。」

玉座に座る国王の鋭い眼差しが、私を射抜いた。

「この状況を……おまえはどう思うのだ。」

大広間にいた貴族たちが一斉に私へと視線を向ける。

心臓が凍りつく。答えを誤れば、国を危機に追いやってしまうかもしれない。

その時だった。

「それはセシリアにとって酷な質問です!」

ユリウスがすっと私の前に立ちふさがった。

「一人のわがままのせいで、戦になりかけているのだぞ!」

国王の怒声が広間に轟く。

けれどユリウスは揺るがなかった。

「いいえ、それはセシリアのせいではありません!」

彼の声が力強く響き渡る。

「愛する人を守りたいと願うことは、決してわがままではない。……すべては私が選んだことです。責任はこのユリウスにあります!」

彼の背中が大きく見えた。

私は胸が熱くなり、涙がこぼれそうになる。

──守られている。

どんな状況であっても、彼は必ず私を庇ってくれるのだ。
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