純愛初夜、次期当主は初恋妻を一途な独占愛で貫きたい。



「花暖、飲みすぎじゃない?」


 美奈が心配そうに言うけど、笑って手を振る。


「大丈夫だよ。ふふ、なんか楽しい!」
 

 美奈がスマホを見ながら言う。

「あ、ごめん、花暖! お迎え来ちゃった。もう帰るね?」

「え、うそ、早いよ!」

「大丈夫だよ、花暖、酔ってるみたいだけど…気をつけて帰るんだよ? 分かった?」

「うん、ありがとう、美奈さんまたね」


 美奈が去ると、店内が急に静かに感じる。カウンターでバーテンダーがシェイカーを振る音、カクテルのフルーティな香り、シャンデリアの光が作り出す幻想的な雰囲気が包んでいた。


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