キミノオト

「そもそも海音は外見も魅力的だし。俺好み」

変わりもの。

「っていうか…」

ゆっくりと体が離される。

「嫉妬してくれたんだ?」

口元を緩ませて嬉しそうにしている陽貴君と、恥ずかしさで言葉に詰まる私。

「かわいすぎるんだけど」

自分でもわかるくらい私の顔は真っ赤になってる。

だって耳まですっごく熱いもん。

その後、陽貴君は一つずつ誤解を解くように説明してくれた。

何度か二人きりで食事に行かないかと誘われたけれど、すべて断ったから私が心配するようなことは一切ないこと。

SNSの投稿は示し合わせたものではなく、偶然であること。

陽貴君は"偶然"と表現したけれど、反応を見る限り本心ではそう思ってない気がする。

誰も傷つかないようにっていう優しい彼の配慮なんじゃないかな。

写真を撮られたときはメンバーみんなでいたけれど、2人だけが切り取られていたこと。

すれ違いの生活が続いていたのは、フルアルバムを制作することが決まって制作期間に入ったからだということ。

この情報はまだ非公開で、ある程度形になったものを見せて驚かせたかったから私にも内緒にしていたらしい。

だから、私のことが嫌になったなんてことは絶対にありえないと力説された。

起きて待っていることを禁止した理由は、本当に私のことを心配してくれていただけだったこと。

以前と比べて眠れるようになってきたけど、それでもまだまだ寝つきが悪い私のことを考えて、少しでも早く体を休めてほしいと思ってくれていたんだって。

でも正直、陽貴君の香りがするお布団は安心するけど、陽貴君本人がいない日は寝つき悪いんだけどね、これは内緒。

無駄な心配かけたくないし。

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