キミノオト

「今日からまた一緒に寝ようか」

突然の提案に驚いた声が出る。

「でもお仕事は?」

「正直、海音不足とはずっと思ってて。そのせいかなかなかいいフレーズが聴こえてこなくて、息抜きも大事だなって思ってた」

表情からそれが嘘でないことはわかった。

「ちょうどひと段落したから、海音成分充電させて。それに、海音もあまり寝れてないでしょ」

ぎくり。

「バレバレだよ。今日迎えに行った時、顔見てびっくりした。出会ったころ並みに顔色悪いし」

たしかにちょっと青白いかなとは思ってた。

「眠っている姿しか見れてなかったからってのは言い訳だけど、今日まで気づかなくてごめん」

何も悪くないのに謝る陽貴君。

私本当に大切にしてもらってるんだね。

なのに勝手に不安になったりして、情けないや。

「自己管理ができてないだけだから、陽貴君は何も悪くない。一緒に過ごす時間が増えるのは嬉しい。でも、無理に私の生活リズムに合わせようとはしないでね」

わかってるよ、と優しく頭をなでられる。

「わがまま言ってもいい?毎日1分でいいからぎゅってする時間がほしい」

「お安い御用だよ。約束」

痛いくらいに抱きしめられる。

「甘えてくれるのかわいすぎ」

耳元で甘く囁かれ、心臓がドキリとはねた。

「大好き」

負けじとぎゅっと抱きしめ返すと、硬直する陽貴君。

「はぁ…かわいすぎだわマジで」

大好きな人にそう思ってもらえるのは嬉しいでしかないよね。

無事に問題を乗り越えられてよかった。

こんなに大切にしてくれるこの人を、これからももっともっと大切にしていきたい。

一緒に幸せになるんだ。
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