キミノオト
住み慣れた自宅に帰り着くと、2人でスマホをのぞきこむ。
「じゃあ、投稿するよ」
「うん」
陽貴君が画面をタップすると、投稿が完了した表示に切り替わる。
応援してくれているファンの方たちに向けて、SNSで結婚の報告をした。
熱愛を認めてから、離れていってしまった人も少なからずいたけれど、潔くて好感が持てると、新たに応援してくれる人も増えていた。
ファンクラブの会員も着実に増えているようで、人気が衰える様子は微塵も感じない。
その人気を証明するように、まだ投稿して数分だというのにすでにたくさんのお祝いのコメントが届いている。
”おめでとうございます!いつか奥様との幸せなお写真が見たいです!”
”やっとか。おめでとう。お幸せに”
”おめでとう!奥さんがどんな人なのか気になる~”
”おめでたいね。陽貴をメロメロに落とした嫁に会ってみたい”
「みんな海音のことが気になってるね」
笑いながら、そんなことを言っている陽貴君。
「陽貴君が人気者すぎるからだよ。相手はどんな人だろうってそりゃ気になるよね」
「自慢したいけど、危ないことに巻き込まれたら困る」
そういって、再び画面を操作すると、数枚の写真を投稿した。