悩める整形女子!
 今日は、カウンターに大崎さん一人と、テーブル席には二組のお客さんだけ。夜の10時にしては珍しく、テーブル席はホール担当だけで私が動くまでも無かった。

「今日は珍しくヒマだね。給料日前だからかな?」

 大崎さんがそう声を掛けてくれた時、ドアが開いた。女性二人組のお客さんだ。

 ホール担当がテーブル席を勧めるが、その女性たちはカウンター席へとやってきた。——誰だろう? 二人とも私の顔をジッと見ている。

「梨奈? 梨奈だよね!? 覚えてる、私たちの事?」

 あ……

 高校生の時に同じクラスだった、(ひとみ)優香(ゆうか)だ……特別仲良くもなかった二人が、わざわざカウンター席にやってきた事に、嫌な予感しかしない。

「あ、ああ……お久しぶり……です……」

「いいよいいよ、敬語なんて使わなくて! 同級生じゃない! ——それよりさ、やっちゃったの!? 目?」

 私はその場で固まってしまった。

 二人は少し酔っているようだ。どこかで私の事を知り、勢いで聞いてしまえ、とでも思ったのだろうか。

「いやいや、梨奈、勘違いしないでよ! 凄く綺麗になったって聞いたから、ちょっと見てみたかっただけなのよ。ね? 優香」

「そうそう! 本当に綺麗になったじゃない! 私も結構本気で考えてるのよ、整形の事」

 どう返事しようかと考えている内、体は震えだし、涙が溢れ出してきた。私は「すみません」と一言残し、カウンターを飛び出してしまった。
< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop