【失恋同盟】
ほたるside
今日からテスト期間。 放課後の同盟活動は、一旦休止。
少しだけ、寂しい。
授業中。
プリントを後ろへ回すとき、佐成くんの顔をチラッと見る。
「ん?」
優しく微笑んでくれるその顔に、心臓がドクンと跳ねる。
「どうした?」
「な、なにも…」
すぐ前を向いて、心臓を落ち着かせる。
最近、佐成くんを見ると変な気持ちになる。
今更だけど―― 佐成くんがすぐ後ろにいるの、 なんだかすごく緊張しちゃう。
プリントを配る手も、鉛筆を持つ指も、ちょっとだけぎこちない。
すると、背中にツンツンと合図。
チラッと振り返ると、 佐成くんが小声で囁く。
「昼。空き教室」
その言葉に、心臓がドクンと跳ねる。
頷いて、再び前へ視線を戻す。
でも、もう授業の内容なんて頭に入らない。