【失恋同盟】



佐成くんが、初めて麻衣さんとのことを話してくれたあの日。

辛そうな顔をしてた佐成くんを、私はずっと見ていた。

胸が、ギュッと握り締められる。



「大丈夫…?」


「うん。すっきりした。完全に未練はなくなった」


「よ、よかったね…?」


「なに、その疑問形」



だって―― それじゃあ、もう。

佐成くんの心には、 麻衣さんの影はない。
それなのに、 私が佐成くんを縛ってるだけじゃないかって、ふと不安になる。

でも、
佐成くんには、 幸せになってほしい。



「私も、決着つけないと…」



駿と結菜と、 しっかり話さなきゃ。


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