【失恋同盟】



…どうしよう、駿。


「まさか、ほたる。駿に何か聞いてる?」


「いや、何も?」



ここは、知らないふりをしよう。
実は駿の恋愛相談に乗ってました―― なんて言ったら、きっと結菜は怒る。
私が駿のこと、好きだったから。

もう2人には、 そんなこと想ってほしくない。

だから、笑顔で言う。



「とりあえず、結菜。駿とのこと応援してるからね?」


「ありがとう」



結菜が選んだのは、リンゴジュース。

かわいい。ずっとかわいい。
その姿を見て、胸がじんわりあったかくなる。



「ほたる、大好きだよ」



その言葉に、笑顔になる。

今までにないくらい、清々しい気分だった。


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