【失恋同盟】
⑫ 告白寸前
ある日の放課後。
空き教室に、佐成くんと2人。
テスト期間前以来のこの距離に、妙にソワソワする。
しっかりしよう。今日は、佐成くんに話さないといけないことがあるんだから。
「なんか今日、顔怖い」
「えっ」
私、怖い顔してる…!?
佐成くんの人差し指が、私の眉間に、ちょん。
「こーわーいー」
「うっ」
しっかりしようとしすぎて、緊張してたのかも。
その指先のぬくもりが、少しだけ心をほぐしてくれる。
「何か話したいことでもあるの?」
佐成くんが、コテンと首をかしげる。
その仕草に、胸がきゅっとなる。