【失恋同盟】
② 朝下駄箱
「……あ」
下駄箱の前で靴を取り出そうとしたとき。
すぐ横に、佐成くんが立っていた。
「おはよ、篠原」
ふっと視線を落として、当たり前みたいに挨拶される。
……やばい。
昨日のことを思い出して、胸がドキッとする。
ハグとか、“同盟”とか……夢じゃなかったんだ。
「お、おはよう……」
ぎこちなく返す私に、佐成くんは靴を履き替えながら、さりげなく言った。