【失恋同盟】
「おはよう」のあと、自然な流れで佐成くんと一緒に教室へ向かった。
別に話してるわけじゃない。並んで歩いてるだけ。
席について、カバンから教科書を出す。
チラッと後ろを見ると、佐成くんはカバンを机にかけて、すぐに寝る態勢。
…やっぱり今日も眠そう。
ノートと教科書をトントンと揃えてると、ふいに頭に違和感。
髪の毛…触られた?
「えっ?」
びっくりして振り向くと、そこには佐成くん。
目が合った瞬間、心臓が跳ねた。
「ど、どうしたの?」
声がうわずる。
だって、佐成くんが…私の髪を、くるくる指で遊んでるから。