【失恋同盟】
③ 秘密時間



佐成くんと同盟を組んで、今日で3日目。

なのに、朝の下駄箱で顔を合わせるだけで心臓がバクバクする。



「おはよ」



彼の声が、思ったよりも近くて、思ったよりも優しくて。

でも、なんだろう。
なんとなく気まずい。
昨日よりも今日のほうが、もっと恥ずかしい。


私、本当に…佐成くんと同盟、組んでよかったのかな。


そんなことを考えていたら、ふいに彼が顔を覗き込んできた。



「ねえ、おはようは?」



その瞳が、まっすぐすぎて、心の奥まで見透かされそうで。



「お、おはよう…!」



声が震えてる。顔も熱い。


< 39 / 286 >

この作品をシェア

pagetop