【失恋同盟】



画面には、“佐成京也”の文字。


その名前が、スマホの中で光って見えた。



「いつでも連絡して」



佐成くんはそう言って、教室の扉を開けた。

その背中が、いつもより大きく見える。


私、佐成くんに助けてもらってばかり。

泣いてるときも、黙って隣にいてくれた。

保冷剤をあててくれた手も、連絡先を交換してくれた言葉も。


全部、私の心を支えてくれた。



…私には、何ができるのかな。


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