【失恋同盟】



片付けまでしてくれて、佐成くんと一緒に教室へ戻る。

保健室の扉を閉めて、廊下を並んで歩く。

何も話してないのに、隣にいるだけで心が落ち着く。

教室の前に着いたとき、佐成くんが扉に手をかけた。


その瞬間、「篠原」と名前を呼ばれた。



「ん?」



佐成くんが振り返って、スマホを出して言った。



「連絡先交換しとこうか。そしたら、夜も泣かなくてすむでしょ」



その言葉に、胸がぎゅっとなる。



「…はい」



慌ててスマホを出して、連絡先を交換する。


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