【失恋同盟】
佐成くんの寝顔が、どこか苦しそうで。
眉が少しだけ寄っていて、夢の中で何かに触れているようだった。
「佐成くん…!」
少し大きな声で呼ぶ。
その声に、佐成くんがゆっくり目を開けた。
ぼんやりとした瞳が私を見て、少しだけ驚いたように瞬いた。
「え…寝てた、俺」
目が覚めた佐成くんが、あくびをしながら言う。
「あれ、篠原。来たなら声かけてくれればよかったのに」
その言葉に、少しだけ笑いそうになった。