【失恋同盟】



放課後、空き教室へ行くと、佐成くんが壁にもたれて寝ていた。

ほんとによく寝るなあって、思わず笑ってしまう。

静かな教室。 夕方の光が、窓から差し込んでる。

私は、そっと隣に座った。


その瞬間。

佐成くんが、私の肩にもたれかかってきた。

まるで、2人で海に行った日みたいに。

あのときと同じ重み。同じ距離。同じ静けさ。

心臓が、静かに跳ねる。


ドキドキして、佐成くんを起こそうとしたとき。



「ん…麻衣…」



はっきり聞こえた。

女の人の名前。



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