【失恋同盟】
ふと、教室の中を見ると。
机に突っ伏したまま、こっちを見てる佐成くんと目が合った。
その瞬間、泣きそうになった。
「じゃあ、私行くね」
「おー」
2人を置いて、自分の席へ戻る。
手には、駿にずっと貸してたCD。
こんなの、今更…。
忘れてくれればよかったのに。
ぎゅっとCDを握り締める。
その硬さが、胸の痛みと重なった。
「大丈夫?」
後ろから、佐成くんの声。
「だ、大丈夫だよ」
振り返ると、佐成くんも辛そうな顔をしていた。
その表情に、胸がまたズキズキと痛む。
私達、全然まだ忘れられてないね。