【失恋同盟】



なんか、久しぶりに駿の笑い声を聞いた気がして、胸が痛んだ。

私、やっぱりまだ駿のこと…。

その気持ちに気づいた瞬間。



「あ、おはよー、結菜」



ドクンと心臓が鳴った。

駿の声で振り返ると、すぐ後ろに結菜がいた。



「今日遅くね?」


「寝坊したの!」


「それより駿さー」



2人の会話が、自然に流れていく。

完全に、2人の世界だった。

ついさっきまで、私と駿が喋っていたのに。

今はもう、駿は私を見ていない。

その事実が、胸にズキズキと痛みを残す。


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