【失恋同盟】
「でも、佐成くんと話してるときのほたる楽しそうだよ」
結菜はそう言って、ちゅーっとオレンジジュースを飲み干した。
その音が、やけに耳に残る。
佐成くんと一緒にいると、心が軽くなる。
余計なことを考えずにすむし、実際楽しいと思う。
でも…。
それを、結菜に言われたくなかった。
なんでだろう。
図星だったから? 駿の前だったから?
胸が、じんわり痛くなる。
私は、ただストローをくるくる回して何も言わなかった。
結菜は、空のコップを持ってドリンクバーの方へ行った。
「ほたる?」
駿の声が、心配そうに響く。
私、ここで何してるんだろう。
なんでまだ、駿のこと諦めきれないんだろう。