令和恋日和。 ~触れられない距離に恋をして~

第19話 日常に溶ける二人



 週末の朝、吉川芙美はそっと目を開け、カーテンの隙間から差し込む柔らかな光に目を細めた。ベッドの隣では、三浦侑がまだ穏やかな寝息を立てて眠っている。寝顔は、普段の落ち着いた表情とは異なり、どこか無防備で愛らしい。昨夜のささやかな触れ合い――公園での静かな会話、手を重ねた温もり、星空の下での穏やかな時間――が、芙美の胸に温かな波を残していた。
 つい最近から、芙美の部屋に泊まりに来たりしていてこういう日常がずっと続けばいいのになんて思っていた。

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