甘く苦く君を思う
「部屋に入ろう」

そういうと彼は私を抱き上げ、部屋の中に入り、露天風呂に連れて行かれる。
脱衣室でもキスは続き、その行為に私は翻弄させられてると気がつけば私は服を脱がされていた。
もう恥ずかしいとかいう暇もなく、彼も服を脱ぐとそのままお風呂に連れて行かれてしまう。

「さ、洗ってあげるよ」

「もう! 大丈夫だから」

せめてこのくらいは反抗させてよ、と私はようやく彼の腕の中から抜け出す。彼は楽しげに笑うと強引なことはせずに見つめていた。
ようやくお互いに洗い終わり湯船に入るとすぐにまた私を後ろから抱きしめてきた。彼の足の上に乗せられると私の背中と彼の胸は密着する。彼のガッチリとした胸板に安心感を覚え私は寄りかかると彼の腕は私のお腹をそっと抱きしめた。ぬるめの温度が今の私たちにはちょうどよかった。

「あぁ、幸せだな」

「うん。本当に幸せ。幸せすぎて怖いくらい」

その言葉は本当だった。こんなに素敵な時間を過ごしていたら、これが最高であとは悪いことしか起こらないのではないかと不安になってしまう」

「そんな訳ないさ。これからもっと幸せになろう」

そういうと私の首筋に唇を落としてきた。私もその言葉にもどかしくなり振り向き彼にキスをねだる。私の視線に気がついているのにすぐにはしてくれない。額、目尻、耳、鼻先、と徐々に降りてきてようやく唇にたどり着いた。そのわずかな時間なのにもどかしく感じ、回されている手に私の手を重ねた。
彼にバスタオルに包まれ、ベッドに運ばれると今までにないくらい甘くて濃い時間を過ごした。
< 21 / 105 >

この作品をシェア

pagetop